子連れ出勤とは?導入するメリット・デメリットや企業内保育施設との違いを解説

時代の変化とともに、働き方は多様化しています。子育て中の社員にとって、仕事と育児の両立は大きな課題の一つ。そんな中で注目を集めているのが「子連れ出勤」です。
この記事では、子連れ出勤のメリット・デメリット、導入にあたっての注意点、企業内保育施設との違いについて詳しく解説します。
社内の福利厚生に関心の高い方や、子連れ出勤制度の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
子連れ出勤とは?
子連れ出勤とは、社員が自分の子どもと一緒に職場へ出勤し、働きながら育児も行う勤務形態のことです。
この働き方は、育児と仕事の両立を支援する目的で導入されることが多く、とくに保育園が見つからない待機児童問題や、少子化が進む中で子育て中の社員を確保・定着させるための福利厚生として注目されています。
オフィスの一角にキッズスペースを設けたり、特定のニーズに限定して許可したりするなど、企業によってその運用方法はさまざまです。昨今では、子連れ出勤を認めている自治体も増えています。
企業内保育施設との違い
企業が従業員の子どもを預かるために設置する施設は、「認可外保育施設」にあたり、児童福祉法などに基づいて、保育士の配置や施設の安全基準が定められています。
企業内保育施設は、企業が専門の業者に委託したり、自社で保育士を雇用したりして運営するため、設備投資や人件費など、企業側のコストが大きくなります。
一方、子連れ出勤は、既存のオフィススペースの一部を活用することが多いため、企業側の金銭的負担は比較的軽くなります。ただし、子どもが安全に過ごせる空間づくりや、他の社員への配慮など、運営上のルール作りが不可欠です。
企業が子連れ出勤制度を導入するメリット
働き方の多様化が進む現代において、子育て中の社員が抱える課題は尽きません。中でも仕事と育児の両立は多くの人にとって大きな悩みです。
しかし、この課題を解決することにより、企業にとって大きなチャンスが得られる可能性もあります。ここから、子連れ出勤制度を導入することで得られる、主な3つのメリットを紹介します。
優秀な人材の確保や定着につながる
労働人口が減少する現代において、優秀な人材の確保は企業の重要な経営課題です。とくに、育児中の社員は、家庭の事情でキャリアを中断せざるを得ないことが多く、企業にとっては大きな損失となります。
子育てと仕事の両立は、育児中の人にとって大きな課題です。とくに、子どもが小さい時期は、急な発熱や保育園からの呼び出しなどで、仕事を休まざるを得ない場面が多く発生します。
このような状況が続くと、仕事へのモチベーションが下がったり、会社に迷惑をかけていると感じたりして、退職を考える人も少なくないでしょう。子連れ出勤制度を導入すれば、社内への育児の理解が進む契機にもなります。
また、子連れ出勤制度を取り入れることで、社員の企業に対するコミットメントも高まりやすくなります。子育て世代の優秀な人材を、会社に定着させることにつながるでしょう。
社内コミュニケーションが活性化される
子連れ出勤制度は、子育て中の社員だけでなく、独身や子どものいない社員にとっても、新たな気づきや学びが得られる絶好の機会です。子どもと触れ合うことで、育児の大変さや喜びを身近に感じ、子育て中の同僚に対する理解が深まります。
こうした相互理解は、職場全体の共感性を高め、多様な背景を持つ社員が互いを尊重し合える文化を育みます。結果として、コミュニケーションが円滑になり、より健全な人間関係が築かれるでしょう。
企業のブランドイメージアップにつながる
子連れ出勤制度を導入し、その取り組みを積極的に発信することは、企業のCSR(企業の社会的責任)活動の一環になります。待機児童問題や仕事と育児の両立といった社会課題の解決に貢献することで、企業は社会全体から評価を得ることにつながるでしょう。
これにより、ただの営利団体としてでなく、よりよい社会づくりに貢献する存在として、企業のブランドイメージを確立できます。
企業が子連れ出勤制度を導入する課題点
子連れ出勤制度は、企業と社員双方に多くのメリットをもたらす一方で、導入にあたっては課題点も存在します。制度を成功させるためには、事前にこれらの課題を把握し、適切な対策を講じることが不可欠です。それぞれ見ていきましょう。
安全確保やコストの問題
子連れ出勤制度を導入する上で、重要な課題の一つが子どもの安全確保です。オフィス内には子ども向けに作られていないため、鋭利な角があるデスクや熱い飲み物、倒れやすい本棚など、子どもにとって危険なものが多く存在します。
そのため、安全なキッズスペースの設置や、危険物の撤去・対策が不可欠です。また、子どもの予期せぬ行動による転倒や怪我を防ぐための監視体制も必要となります。
子どもの安全を守るためにも、専用のキッズスペースを設けたり、安全対策を施したりする設備投資は不可欠です。事故が起きた場合、企業の安全配慮義務違反が問われる可能性もあるでしょう。
設備投資や人件費などの金銭的負担に関しては、助成金を活用することでカバーできるかもしれません。子連れ出勤制度の導入を検討する際は、安全とコストを両立させる具体的な対策を慎重に練ることが求められます。
制度運用の難しさ
子連れ出勤制度は、子育て中の社員だけでなく、ほかの社員への配慮も不可欠です。子どもの声や行動が、集中力を要する業務の妨げになったり、「常に子どもがそばにいる」という状況で社員がストレスを感じたりする可能性があります。
また、子連れ出勤を許可する部署や曜日を限定しない場合、制度を利用する社員と利用しない社員との間に不公平感が生じることも考えられます。このため、制度の目的やルールを全社員に丁寧に説明し、公平性を保つための運用体制を構築する必要があります。
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まとめ:子連れ出勤の課題を乗り越えるには
子連れ出勤は、従業員の働きやすさを向上させる一方、多くの課題をクリアしなければなりません。子どもの安全確保はもちろんのこと、企業全体での理解と協力体制を築く必要があります。
制度導入前に社内で意見交換や話し合いを行い、ルールの明確化やガイドラインの策定など、綿密な準備を進めていくことが求められるでしょう。
社員の声に耳を傾け、企業の実情に合わせた制度を設計することで、多様な働き方を推進する企業文化が醸成されます。子連れ出勤制度の導入により、企業と社員が共に成長できる未来を築けるかもしれません。
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