インハウスローヤーとは?企業内弁護士の業務内容やキャリアパスについて

近年、企業内で法務業務を担当する「インハウスローヤー」の需要が増しています。
企業の法的リスクを管理し、経営のサポートをする重要な役割ですが、具体的にどんな業務を行い、どんなスキルが求められるのかは意外と知られていません。
そこで本記事では、インハウスローヤーの業務内容から必要なスキル、キャリアパスまで解説します。
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目次
インハウスローヤーとは?
インハウスローヤーとは、企業や団体の内部に所属し、法律に関する業務を専門的に担当する弁護士のことを指します。
外部の法律事務所に所属する弁護士(いわゆる「外部弁護士」)とは異なり、1つの企業に雇用されている点が大きな特徴です。
企業内の法務部門や経営企画部門などに在籍し、日常的に発生する法律問題に対処したり、事業活動に伴う法的リスクを未然に防いだりすることが主な役割です。
日本では2001年の司法制度改革以降、法曹人口の増加と企業の法務強化が進んだことで、インハウスローヤーという働き方が徐々に広がってきました。
企業にとっては、外部に頼らず、社内に常駐する弁護士から迅速なアドバイスが得られる点が大きなメリットです。
外部弁護士との違いは?
外部弁護士は複数のクライアントを抱えて業務を行いますが、インハウスローヤーは特定の企業の一員として、内部から業務に関わる点が大きな違いです。
そのため、案件の数よりもその業界・会社に対する「深さ」が求められる仕事です。日々の企業活動を間近で見ながら、継続的に経営と関わる経験が得られるのは、インハウスローヤーならではの特徴です。
インハウスローヤーの業務内容
インハウスローヤーは、主に以下のような業務を行います。
契約書の作成・審査・交渉
インハウスローヤーの基本的な業務のひとつが、契約関連です。取引先との契約書を作成したり、法的に問題がないかを確認したりします。
また、相手方との契約交渉に同席し、企業の立場を守る形でサポートすることもあります。
法的リスクの予防と対応
企業活動には常に法律リスクが伴います。インハウスローヤーは、業務上のリスクをあらかじめ洗い出し、トラブルを未然に防ぐ仕組みを整える役割も果たします。
たとえば、社内規程の整備、コンプライアンス体制の構築、法改正の情報提供などが含まれます。訴訟や行政対応が必要な場合には、外部弁護士と連携して対応に当たります。
経営・事業支援
インハウスローヤーは経営判断の場に参加し、法的な観点から助言を行う場面も増えています。
たとえば、新規事業の立ち上げや海外進出、M&A(企業の合併・買収)などの重要な局面では、法律上の課題を事前に整理し、経営判断を支えることが求められます。
インハウスローヤーに必要なスキル
では、インハウスローヤーには具体的にどんなスキルが求められるのでしょうか。
法的知識と実務経験
インハウスローヤーとして働くには、弁護士資格が前提となるため、特に企業法務に関する幅広い知識が必要です。
契約法、労働法、会社法など、企業活動に密接に関わる分野についての理解が欠かせません。
また、実務経験を積むことで、企業のビジネス現場でどのように法律を適用するかという実践的な感覚が磨かれます。
社内コミュニケーション力
ンハウスローヤーは、社内の様々な部署と連携しながら業務を行います。
そのため、専門的な法律用語を一般社員にもわかりやすく説明する能力や、経営層に対して適切に助言する力が求められます。
また、時には法的リスクを説明し、ビジネス上の判断に影響を与える必要があるため、信頼されるコミュニケーションが大切です。
ビジネスへの理解と柔軟性
法的な視点だけではなく、ビジネスの現場に即した柔軟な判断が求められるのもインハウスローヤーの特徴です。
事業戦略や業界の動向にアンテナを張りつつ、会社の方針やスピード感に合わせたアドバイスを行う力が必要です。
インハウスローヤーとしてのキャリアパス
インハウスローヤーとしてのキャリアは、企業内の法務部門での昇進が基本です。
経験を積むことで、法務マネージャー、部長、さらには経営陣の一角であるCLO(チーフ・リーガル・オフィサー)といったポジションを目指すことも可能です。
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まとめ
インハウスローヤーは、企業内弁護士として属し、法的業務を行いながら、経営やビジネスの判断にも関わる専門職です。
法的な観点から企業を支える重要な役割を担っており、法的知識だけでなく、コミュニケーション力・ビジネス力など多くのスキルが求められます。
大きな責任は伴いますが、企業法務の中心的な存在として需要の高い職業でもあります。
法律の知識を活かし、企業の経営戦略に携わりたい方は、将来の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。
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