ジョブローテーション制度とは?導入の目的やメリット・デメリット、向いている企業について解説

日本では、「ジョブローテーション制度」を取り入れる企業が多く存在します。
制度についてなんとなく知っている人は多いかもしれませんが、具体的にどんな目的やメリット・デメリットがあるのでしょうか?
そこで本記事では、ジョブローテーション制度について詳しく解説していきます。
この制度が向いている企業についても触れているので、導入をお考えの企業担当者様はぜひご参考ください。
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目次
ジョブローテーション制度とは
ジョブローテーション制度とは、社員が一定の期間ごとに異なる職務や部署で働く制度です。
この制度は、社員がさまざまな業務を経験することで、スキルや知識の幅を広げ、個人の成長を促すことを目的としています。
また、企業にとっても社員が多角的に仕事を理解することで、組織全体の効率向上や柔軟な人材活用が期待できます。
例えば、ある社員がはじめは営業部として働き、その後、人事部などの別部署へ異動するといった形です。
このローテーション期間は、一般的に数ヶ月から数年のスパンで実施されます。
ジョブローテーション制度の目的
ジョブローテーション制度を導入する目的は、主に下記が挙げられます。
・社員の多様なスキルと経験の獲得
・組織全体の理解を深める
・柔軟で多才な人材の育成
特に、社員にさまざまなスキルと経験を積ませることは大きな目的のひとつだと言えます。
特定の部署だけでなく、他の部署でも経験を積むことで、社員の総合的な能力が向上するでしょう。
ジョブローテーション制度のメリット
ここからはジョブローテーション制度のメリットについてお話ししていきます。
ジョブローテーション制度のメリットは主に以降の3つです。
社員のスキルアップ
1つめのメリットは、「社員のスキルアップ」です。異なる業務を経験することで、社員は新しい知識やスキルが身に付きます。
例えば、営業担当者がマーケティング部に異動すれば、営業力にプラスしてマーケティング戦略や市場分析の知識を深めることができます。
このように、多角的なスキルを身につけることができるのは、ジョブローテーション制度の大きなメリットです。
組織の柔軟性の向上
2つめのメリットは、「組織の柔軟性の向上」です。社員が複数の業務を経験することで、急な異動や人員不足が発生した際にも柔軟に対応できるようになります。
企業の成長に伴い、部署の変更や新しいプロジェクトが発生することもありますが、ジョブローテーションを経験した社員は、適応能力が高くなるでしょう。
部門間の連携強化
3つめのメリットは、「部門間の連携強化」です。異動先の部署で新しい人間関係を築くことで、部署間のコミュニケーションが活発になり、協力関係が強化されます。
これにより、部署間の情報共有も進み、企業全体で効率的な業務運営が実現できるでしょう。
ジョブローテーション制度のデメリット
一方で、ジョブローテーション制度にはデメリットも存在します。導入をお考えの企業の方は、デメリットも把握しておきましょう。
専門性が薄れる可能性
1つめのデメリットは、「専門性が薄れる可能性」があることです。
ひとつの業務に長期間携わることなく、次々と部署を異動するため、社員が特定の専門知識やスキルを深めることが難しくなる場合があります。
特に高度な専門性を求められる職種では、ジョブローテーションが逆に社員の能力向上の妨げになることも考えられるのです。
新しい業務に慣れるまでの時間を要する
2つめのデメリットは、「新しい業務に慣れるまでの時間を要する」ことです。
新しい業務に就くたびに、社員はその業務に慣れるまで一定の時間が必要となります。
これにより、初めのうちは業務の効率が低下することがあるでしょう。特に短期間での異動が頻繁に行われると、社員のストレスや疲労が溜まる原因にもなりかねません。
モチベーションの低下
3つめのデメリットは、「モチベーションの低下」です。ジョブローテーションにより、自分のキャリアプランが明確にならないと感じる社員もいるかもしれません。
自分の得意分野や興味がある業務に専念できないと、モチベーションの低下を招いたり、仕事への不満が高まったりする原因になることもあるでしょう。
ジョブローテーション制度が向いている企業
最後に、ジョブローテーション制度が向いている企業の特徴を3つご紹介していきます。
大企業や多国籍企業
多くの部署や事業部門を持つ大企業や多国籍企業では、ジョブローテーション制度がいい方向へ働きます。
複数の部署での経験を通じて、社員は組織全体を理解し、企業内でのキャリアの幅を広げることができるでしょう。
また、大企業は人材の多様性や柔軟性を求めるため、ジョブローテーションを活用することで、さまざまな分野で活躍できる人材を育成できます。
成長期にある企業
事業が急成長している企業では、新しい事業やプロジェクトを立ち上げるにあたって、柔軟に対応できる社員が求められます。
そこでジョブローテーション制度を導入することで、社員はさまざまな業務に適応できるようになり、企業の急成長をサポートする力が発揮されます。
イノベーションを推進する企業
イノベーションを推進する企業では、社員が異なる視点やアイデアを持つことが重要です。
ジョブローテーションにより、社員は他の部署での経験を通じて、新たな視点を得ることができ、イノベーションの促進につながります。
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まとめ
ジョブローテーション制度は、社員のスキルアップや組織の柔軟性向上など、人材育成・活用においてメリットのある制度だと言えます。
ただ、専門性が薄れるリスクや適応に時間がかかるなどのデメリットもあるため、企業によって向き不向きはあります。
だからこそ制度の導入前に、自社に向いているのかを慎重に判断する必要があるでしょう。
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