プロジェクトアリストテレスとは?Googleが発見した「成功するチーム」の秘密を探る

Googleが数年を費やして180ものチームを分析した「プロジェクトアリストテレス」をご存知でしょうか?この画期的な研究は「成功するチームの秘訣」に関する結論を導き出しています。
本記事では、Googleが発見した「効果的なチームの5つの要素」を深掘りし、チームを成功に導くヒントをお届けします。ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
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目次
プロジェクトアリストテレスとは?
プロジェクトアリストテレスとは、Google社が2012年に開始した、「効果的なチーム」の条件を科学的に解明するための大規模な研究プロジェクトのことです。哲学者アリストテレスの「全体は部分の総和に勝る」という言葉にちなんで名付けられました。
このプロジェクトでは、世界中のGoogle社内の180チーム(エンジニアリング系プロジェクトチーム115、営業チーム65)を研究対象としています。当初はコード行数やバグ修正数、顧客満足度といった客観的な指標に注目しましたが、これだけではチームの本質的な効果性を捉えきれないことに気づきました。
そこで、以下の複数の視点からチームのパフォーマンスを測定しました。
- ・経営幹部の評価:売上高や製品リリースといった「結果」に重点を置いた指標
- ・チームリーダーの評価:オーナーシップ、ビジョン、目標達成への貢献といった側面を重視した指標
- ・チームメンバーの評価:チームの文化や協調性といった側面に重点を置いた指標
- ・定量的な業績データ:四半期ごとの売上目標達成度など、具体的な数値データに基づく指標
- ・インタビュー:さまざまな立場の人間から、チームの構成、コミュニケーションスタイル、協力体制などについて収集した質的データ
このように、異なる立場からの定性的な評価と定量的な測定基準を組み合わせることで、チームのパフォーマンスを包括的に定義し、効果的なチームワークについて重要な要素を見出しています。
プロジェクトアリストテレスにおける効果的なチームの5要素
プロジェクトアリストテレスにおける研究は、優秀な人材を集めれば最高のチームができるという仮説からスタートしました。しかしその後の分析で、「誰がチームにいるか」よりも「チームがどのように協働するか」が重要であるという結論にたどり着いています。
ここからは、プロジェクトアリストテレスにおいて、効果的なチームにおいて欠かせない5つの要素を解説していきます。
- ・心理的安全性
- ・信頼性
- ・構造と明確さ
- ・仕事の意味
- ・インパクト
それぞれ見ていきましょう。
心理的安全性
心理的安全性とは、メンバーが失敗を恐れず、安心してリスクを冒せる環境であるかという概念です。心理的安全性の高いチームには、以下のような特徴があります。
- ・失敗を隠す必要がないため、チーム全体で失敗から学んで改善につなげられる
- ・オープンなコミュニケーションを通じて、共有が促され問題が早期発見・解決につなげられる
- ・自由な発想を提案できるため、独創的な解決策やイノベーションが生まれやすくなる
もしチームの心理的安全性が低い場合は、メンバーが発言をためらい、問題が表面化しないまま進行したり、新しいアイデアが出にくくなったりするおそれがあります。人間関係がぎくしゃくするだけでなく、チームの成長が停滞する可能性も考えられるでしょう。
信頼性
信頼性は、チームメンバーがお互いに、与えられたタスクや約束事をきちんと遂行すると信じられる状態を指します。つまり「あの人がやると言ったことは、きっとやってくれるだろう」という確信です。
信頼性が高いチームは、各メンバーが自分の役割を果たすと信頼できるため、重複作業や不必要な確認が減り、タスクの引き継ぎもスムーズになります。メンバー間の責任感が醸成され、チームワークの強化にもつながるでしょう。
信頼性が高まることで、他のメンバーの仕事ぶりを心配する必要が減り、個々のメンバーがそれぞれ自分のタスクに集中できるようになります
構造と明確さ
構造と明確さは、チームの目標、役割分担、計画、期待される成果などが明確に定義され、チームメンバー全員がそれを理解している状態を指します。
構造と明確さに優れたチームは、全員が同じ目標に向かって進んでいることを認識できるため、無駄な労力が削減され、効率的に作業を進められます。各メンバーの役割と責任が明確になることで、「誰が何をするのか」がはっきりし、重複や漏れを防げる効果に期待できるでしょう。
仕事の意味
仕事の意味とは、チームメンバーが自分の仕事に個人的な意義や目的を見出し、それが自分にとって重要だと感じることです。
金銭的な報酬だけでなく、仕事そのものへの意味を見出すことは、内発的なモチベーションに深く関わります。困難な状況に直面しても、「この仕事には意味がある」という信念がメンバーを支え、乗り越える力をもたらすでしょう。
インパクト
インパクトとは、自分の仕事が実際に変化をもたらし、チームや組織、あるいは顧客や社会に対して具体的な影響を与えているとメンバーが実感できることです。
自分の努力が具体的な結果につながっていることを実感することで、大きな達成感と貢献感を得られます。反対にインパクトが弱いと、チームメンバーは自分の努力が無駄に終わっていると感じ、無力感や徒労感にさいなまれるリスクが高くなるでしょう。
インパクトを高めるためには、メンバーそれぞれの役割を明確にし、最終的な目標とどうつながっているのかを明確化することが大切です。これにはリーダーによる働きかけも重要で、目標への道筋や方向性を明らかにすることが求められます。
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まとめ:プロジェクトアリストテレスの研究を参考に成功するチームを作りましょう
プロジェクトアリストテレスで明らかになった成功するチームの要素は、チームの健全な機能を維持し、最大限のパフォーマンスを引き出すために不可欠です。
心理的安全性が土台となり、その上に信頼性が築かれ、明確な構造の中で意味とインパクトを見出すことが効果的なチームの要因と解釈できます。
プロジェクトアリストテレスの研究を参考に、成功するチームづくりに役立ててみてはいかがでしょうか。
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