メンタルヘルスマネジメントとは?仕事に活用するポイントを解説
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ストレスチェック制度が導入され、企業は従業員の心の健康に対してより積極的に取り組むことが求められるようになりました。
昨今では、働く人の心の健康を維持する取り組みとして、メンタルヘルスマネジメントに注目が集まっています。
この記事では、メンタルヘルスマネジメントの詳細や、具体的な取り組みについて解説します。
メンタルヘルス対策を取り入れたい方や、職場環境の改善に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
メンタルヘルスマネジメントとは?
メンタルヘルスマネジメントは直訳すると「心の健康状態の管理」であり、働く人の心の健康をサポートする取り組みを指します。
なお、メンタルヘルスとは、「心の健康状態」を意味する言葉です。心の健康がよい状態に保たれていると、次のような状態になります。
●前向きな気持ちでいられる
●ストレスへの対処力が高い
●感情をコントロールできる
●周囲の人と良好な関係を築ける
●やる気や意欲に満ちている
メンタルヘルスマネジメントは、このような心の健康状態を促進することを目的として、企業が主体となり、さまざまな取り組みを行います。
メンタルヘルスマネジメントの取り組み内容
メンタルヘルスマネジメントは、従業員と企業の双方にとってメリットが大きい取り組みです。ここから、企業が実践するメンタルヘルスマネジメントを解説します。
ストレスチェック制度の実施
ストレスチェック制度とは、従業員の心の健康状態を把握し、メンタルヘルスの問題を早期に発見して予防につなげるための制度です。50人以上の事業場では、原則として年1回の実施が義務付けられています。なお、50人未満の事業場では努力義務です。
ストレスチェックは、ストレスに関する質問項目に回答する形式のチェックシートを用いて行われます。チェックシートは受検者本人と産業医や保健師などの実施者のみが閲覧でき、本人の同意なくして上司や会社関係者に知られることはありません。
ストレスチェック制度を実施することで、企業側と従業員側に次のようなメリットが得られます。
企業側のメリット | 従業員側のメリット |
メンタルヘルス問題を早期に発見できる 集団分析により職場のストレス要因の特定と改善につなげられる 従業員のモチベーション向上を図れる | 自分の心の状態を把握できる メンタルヘルス不調がある場合、早期に支援が受けられる 職場環境の改善により働きやすい環境が実現する |
ストレスチェックの実施により、従業員が健やかに働けるようになることで、企業全体の活性化をもたらすでしょう。
職場環境の整備
職場環境の整備も、メンタルヘルスマネジメントの取り組みの1つです。従業員が快適な環境で仕事に取り組めるように、物理的および心理的な環境を整えていきます。
オフィスを綺麗にしたり、動線を意識した配置を心がけたりすることも大切ですが、照明や温度、騒音などの心理面に影響を与える要素も考慮するのがポイントです。
職場環境の整備の具体的な取り組みとしては、観葉植物の配置などでリラックス効果を高めるグリーンオフィス化や、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」の5つで職場改善を図る5S活動などが挙げられます。
働く環境が整うことでメンタルヘルス向上だけでなく、業務の生産性にもよい影響をもたらすことが期待されます。
メンタルヘルス研修の実施
メンタルヘルス研修とは、企業が従業員の心の健康を維持・増進するために実施する研修のことです。ストレスを効果的に解消するための具体的な方法や、メンタルヘルス疾患についての知識、コミュニケーションスキルなどについて学びます。
従業員がメンタルヘルスについて正しい知識を身につけることで、メンタルヘルス不調を早期に発見でき、適切な対処ができるようになります。また、コーピング能力(ストレスに対処する力)も培われるため、ストレスへの影響を抑える効果に期待できるでしょう。
効果的なメンタルヘルスマネジメントのポイント
メンタルヘルスマネジメントは、形式的に行うだけでは十分な効果を発揮できません。
ここから、効果的なメンタルヘルスマネジメントを実践するポイントを解説します。
従業員のニーズに合わせて目的を明確化する
メンタルヘルスマネジメントを実践する際は、従業員の現状を正しく把握し、目的の具体化を図ることが大切です。たとえば、メンタルヘルス研修を実践するとした場合、ストレス対処法に課題があるのか、コミュニケーションスキルが足りないのかによっても、必要な内容は異なります。
具体的な取り組みを計画する前に、アンケート調査や個別面談などを実施し、従業員が実際に何を求めているのかを詳細にヒアリングすることが重要です。そのうえで「管理職向けのリーダーシップ強化」や「新入社員向けのストレス対処法」など、対象者や目的に合わせた取り組を企画すると、より高い効果が期待できます。
継続的に取り組みを実施する
メンタルヘルスマネジメントは、一度きりで終わるものではありません。従業員の心の健康は、常に変化するものです。効果的なメンタルヘルス対策を定着させるためには、継続的な取り組みが必要になります。
一度行った研修の効果を定着させ、従業員の日常行動に変化をもたらすためには、継続的なフォローアップが重要です。ただし形式的にならないよう、取り組みの実施前と後で変化を比較するなど、結果の分析を踏まえて改善を図るようにしましょう。
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まとめ:メンタルヘルスマネジメントで従業員の心の健康増進を図りましょう
メンタルヘルスマネジメントとは、従業員の心の健康を維持・増進するための取り組みです。主な施策には、ストレスチェック制度の実施、職場環境の整備、メンタルヘルス研修の実施などが挙げられます。
従業員の心の健康を守り、企業の持続的な成長につなげるためにも、継続的に取り組むことが大切です。まずは自社の現状を把握し、従業員のニーズに合った具体的な施策を検討してみましょう。
ぜひ本記事の内容を参考に、メンタルヘルスマネジメントに取り組んでみてください。
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