宅建は独学だと難しい?その理由や勉強法、対策について解説
不動産業界において、持っていると重宝されるのが「宅建士」です。
しかしながら、その合格率は決して高くなく、独学では難しいと言われています。
一体その理由はなんなのか。また、独学で勉強する方法はあるのか。といった疑問を本記事で紐解いていきます。
独学以外の「宅建対策」についてもご紹介しているので、独学に限界を感じている方はぜひご参考ください。
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目次
宅建試験について
宅建(正式名称:宅地建物取引士)は、宅地・建物の売買や、賃貸を仲介する業務を行う際に必要となる専門知識を持った士業です。
例年20万人前後が受験する国家資格で、その規模は国内最大と言われています。
宅地建物取引業を行う企業では、各事業所につき、従業員5人に1人以上は宅建士を配置する義務があります。
例えば、従業員が5人の事業所であれば1人で足りますが、6人であれば2人必要となるのです。
そのため、不動産業界において欠かせない存在と言えます。
宅建は独学だと難しい?
“宅建は独学だと難しい”と言われていますが、独学で受かる人がいることも事実です。
不動産業界で働いていてその分野に関する知識を持っている人はもちろんですが、全く違う分野から宅建士を目指して独学で合格している人もいます。
合格率は16%前後
しかしながら、宅建試験の合格率は例年16%前後。
先ほど、例年20万人前後が受験しているとお話ししましたが、合格率から見ると合格できるのは3~4万人ほどにとどまります。
最新の令和5年度は、合格率17.2%・合格点(合格ライン)36点となっていました。合格点は毎年変動しますが、平均すると70%以上の正答率が求められています。
下記は、宅建試験の過去10年分のデータ(受験者数、合格者数、合格率、合格点)となります。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格点 |
令和5年度 | 233,276人 | 40,025人 | 17.2% | 36点 |
令和4年度 | 226,048人 | 38,525人 | 17.0% | 36点 |
令和3年度 (12月) | 24,965人 | 3,892人 | 15.6% | 34点 |
令和3年度 (10月) | 209,749人 | 37,579人 | 17.9% | 34点 |
令和2年度 (12月) | 35,261人 | 4,610人 | 13.1% | 36点 |
令和2年度 (10月) | 168,989人 | 29,728人 | 17.6% | 38点 |
令和元年度 | 220,797人 | 37,481人 | 17.0% | 35点 |
平成30年度 | 213,993人 | 33,360人 | 15.6% | 37点 |
平成29年度 | 209,354人 | 32,644人 | 15.6% | 35点 |
平成28年度 | 198,463人 | 30,589人 | 15.4% | 35点 |
平成27年度 | 194,926人 | 30,028人 | 15.4% | 31点 |
平成26年度 | 192,029人 | 33,670人 | 17.5% | 32点 |
合格率が低い理由
ではなぜ、ここまで合格率が低いのでしょうか。考えられる理由のひとつに、「受験資格に制限がないこと」が挙げられます。
国家資格では多くの場合、ある程度の受験資格が設けられています。例えば、司法試験を受けるには、法科大学院課程の修了、または司法試験予備試験への合格が必須となります。
一方、宅建は受験資格がなく、誰でも受けることができます。そのため、「一旦受けてみよう」という軽い気持ちの受験者もいることで合格率が低くなってしまっていると考えられます。
宅建を独学で勉強する方法は?
では、宅建を独学で勉強するにはどんな方法があるのでしょうか。
一般的に、独学で宅建合格を目指すには、200~300時間必要だと言われています。宅建に関する知識がゼロからスタートの場合は、少なくとも300時間は必要でしょう。
また、試験範囲をすべて網羅するのではなく、注力する分野を絞ることも大事です。
宅建試験は、マークシート方式で計50問が出題されて、分野ごとに出題数は異なります。内訳は「権利関係」14問、「宅建業法」20問、「法令上の制限」8問、「税・その他」3問、「免除科目」5問です。
特に「宅建業法」と「権利関係」は、その2分野だけで全体の7割近くを占めるため、集中して対策する必要があります。
具体的な勉強方法としては、過去問を繰り返し解くことに時間を割いている人が多いです。
宅建業法では「宅建業の免許」「重要事項説明」「媒介契約の規制」などが頻出問題で、権利関係では「相続」や「借家関係」が頻出問題となっています。
独学以外の宅建対策をご紹介
「独学で勉強するのは限界を感じる」「効率よく合格を目指したい」と考える人も少なくないでしょう。
そんな時は、以降でご紹介する2つの対策がおすすめです。
スクールへ通う
ひとつは、資格スクールへ通うこと。
資格スクールは、多くの受講生を指導しているノウハウから、合格を目指すためのカリキュラムが組まれています。
疑問があれば、すぐに講師へ聞ける環境にあることも良いでしょう。
ただし懸念点として、費用が高額なことと、スケジュールの調整が必要なことが挙げられます。
通信講座を受ける
もうひとつは、通信講座を受けること。
資格スクールのように効率的な学習スケジュールが組まれており、かつ費用をおさえながら勉強することができます。
スクールに通う時間がなかなか取れない人には、スキマ時間で学ぶことができる通信講座が向いているでしょう。
ただし、強制的に勉強できる環境がないとサボってしまう恐れのある人は避けたほうが良いです。
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まとめ
今回は、宅建を独学で目指すことの難しさや勉強法、対策についてまとめました。
独学で合格できないわけではありませんが、非常に険しい道のりとなります。
独学で勉強することが厳しいと感じている方は、本記事でご紹介した対策を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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