マグロ漁船に乗れば20代で年収1,000万? 高収入の裏にある過酷な現場と実情を紹介

学歴に関係なく短期間に高収入を狙える職種として、たびたび話題に上がる「マグロ漁船」での勤務。
若くして年収1,000万円も達成できるため、なかには「人生を立て直す最後のチャンス」と一発逆転を狙う人もいます。
しかし、実際の現場は想像以上に過酷で、体力・精神力ともにハードな環境が待ち受けています。
この記事では、マグロ漁船の仕事内容から給与事情、働くメリット・デメリット、さらには応募方法や体験談まで、リアルな情報を徹底的に解説していきます。
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目次
マグロ漁船での勤務とは?
マグロ漁船といっても、「漁船に乗ってマグロを獲る」のようなざっくりしたイメージしか持たない人は多いでしょう。
そこで、ここからはまずマグロ漁船での仕事内容やスケジュールについて解説していきます。
主な仕事内容(漁・加工・保管など)
マグロ漁船での主な仕事は、マグロの漁獲、処理、保管の3つに分かれます。
マグロの漁法は、長い縄に釣り針をいくつもつけていく延縄(はえなわ)漁が一般的です。
マグロ捕獲後は、すぐに内臓を取り出し、鮮度を保つために冷凍処理が施されます。
船内では水揚げや箱詰め、冷凍庫への収納なども行われるため、すべてが時間との戦いです。
また、甲板の清掃や機材の点検、次の漁に備えた準備も欠かせないため、業務は多岐にわたります。
航海の期間やスケジュール感
マグロ漁船の航海期間は、短くても2〜3か月、長い場合は半年以上に及ぶこともあります。
特に、遠洋漁業では赤道付近や南半球などの遠い海域に向かうため、一度出港すると半年以上戻れません。
遠洋漁業をおこなうマグロ漁船では、10ヶ月ほど出漁し、帰港後に1~2ヶ月の長期休みを取ることが多いようです。
マグロ漁船1日のスケジュール
マグロ漁船の1日のスケジュールは、以下のように進行します。
3:00~9:00 | 起床(早番は交代制)、船の点検や投網作業をおこなう |
9:00~12:00 | 食事、待機時間 |
12:00~0:00 | 揚縄作業(交代で休憩・食事) |
0:00~3:00 | 就寝 |
基本的には1日中の作業が連日続き、休息時間は不規則です。
船上では交代制で作業が続けられるため、昼夜問わず働くことになります。
魚が釣れない日は休日になることもありますが、休日も交代で見張りや船の装具の点検をおこないます。
近海、沖合、遠洋の違い
日本の漁の漁法には、日本近海でおこなう近海漁業、国内の排他的経済水域内でおこなう沖合漁業、日本から数千キロ離れた公海でおこなう遠洋漁業の3つがあります。
それぞれの特徴は、以下の通りです。
航海期間 | 対象魚種 | 漁法 | 待遇 | |
---|---|---|---|---|
近海漁業 | 数日~1週間 | キハダマグロ、ビンナガマグロ | 一本釣り、曳き縄漁 | 遠洋に比べて収入は控えめ 生活とのバランスが取りやすい |
沖合漁業 | 数日~2週間 | キハダマグロ、ビンナガマグロ | 延縄漁、まき網漁、一本釣り | 遠洋ほどではないが安定して稼ぎやすい |
遠洋漁業 | 数か月~1年以上 | 本マグロ、キハダマグロ、メバチマグロ | 延縄漁 | 労働環境は過酷 高収入になりやすい |
マグロ漁船の給料・年収事情
マグロ漁船の給料は一般的に「高収入」として知られており、月収にすると20万〜50万円、年収ベースでは300万円〜700万円程度が相場です。
ただし、これは漁獲量や所属する会社、航海の長さなどによって大きく変動します。
特に遠洋船では年収1000万円を超えるケースもありますが、その分リスクと責任も大きくなります。
また、マグロ漁船で働く大きな特徴は、「支出がほとんどない」という点です。
航海中の食費や住居費は基本的に船会社が負担するため、給料はほぼ手取りとして残ります。
通信費や外出費もかからないため、強制的にお金を貯められる環境で、航海後には数百万円が手元に残ることも珍しくありません。
マグロ漁船で働くメリット・デメリット
マグロ漁船は高収入を得られるメリットがある一方で、リスクも大きい仕事です。
どちらも理解しないまま働くと後悔するかもしれないので、以下で紹介するメリット・デメリットをしっかり確認しておきましょう。
マグロ漁船で働くメリット
マグロ漁船で働くメリットは以下の3つです。
・高収入が狙える
・人間関係が限定的
・強制的にお金が貯まる環境
マグロ漁船で働く最大のメリットは、短期間で高収入を得られる点です。
特に、生活費がほとんどかからないため、数か月で数百万円の貯金も可能で、借金返済や人生の立て直しを目指す人には好条件です。
また、海上という閉鎖的な環境では人間関係も限られており、対人ストレスが少ないというメリットもあります。
マグロ漁船で働くデメリット
一方で、マグロ漁船の仕事には以下のようなデメリットもあります。
・労働時間が長く過酷
・命の危険やケガのリスク
・孤独・ストレスとの戦い
まず、マグロ漁船では労働時間が非常に長く、天候に左右されるため、休息が思うように取れない日もあります。
海上では事故や病気のリスクも高く、命に関わる場面に直面することも少なくありません。
また、数か月間、家族や友人と連絡が取れず、極度の孤独感やストレスを抱える人もいます。
仕事に慣れていない人にとっては、閉鎖空間における人間関係のトラブルや精神的負荷に耐えられるかどうかが大きなハードルとなります。
応募方法と向いている人の特徴
マグロ漁船の仕事内容について理解できたら、続いて応募方法についてもチェックしていきましょう。
また、向いている人の特徴についても解説するので、検討する際の参考にしてみてください。
求人の探し方(紹介所、漁協、ネット)
マグロ漁船の求人は、ハローワークや水産業専門の紹介所、漁協(漁業協同組合)を通じて探すことができます。
近年ではインターネットでも求人情報が掲載されており、「マグロ漁船 求人」などのキーワードで検索すれば、複数の募集要項がヒットします。
未経験者歓迎と明記している求人も増えており、応募ハードルはそこまで高くありません。
未経験可の募集はある?
多くのマグロ漁船では未経験者の受け入れを積極的に行っており、特別な資格や経験がなくても働けるのが特徴です。
むしろ、若くて体力があり、やる気のある人材は歓迎される傾向にあります。
最初は甲板作業や雑務などから始まり、先輩の指導を受けながら徐々に仕事を覚えていきます。
なお、未経験でも海技免状などの資格を取得していれば働きやすくなるでしょう。
40代でも働けるのか
マグロ漁船の仕事は体力勝負であるため、20〜30代の若年層が多い傾向にありますが、40代でも体力に自信があれば採用される可能性は十分にあります。
実際に、家庭を持ったあとや転職を機に新たな挑戦として乗船する人もいます。
ただし、年齢が上がるほど採用のハードルはやや高くなり、持病の有無や健康状態がより重視されることは留意しておきましょう。
マグロ漁船での仕事が向いている人の特徴
マグロ漁船での仕事は、長時間に及ぶ作業、重い荷物の運搬、常に揺れる船上での動作など、肉体への負担は非常に大きいため、何よりも体力が求められます。
また、数か月間にわたる孤独な環境、狭い船内での生活、人間関係の緊張感など、精神面でもタフさも必要です。
どれだけ収入が魅力的でも、これらの厳しさに耐えられなければ長く続けるのは困難でしょう。
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まとめ:マグロ漁船は稼げるけど覚悟が必要
マグロ漁船に乗ると高収入が得られるだけでなく、生活費もかからないため、手元に残せるお金が多いメリットがあります。
しかし、労働環境は過酷で命の危険もあるうえに、長い期間船の上に拘束されるというデメリットも目立ちます。
一度乗ってしまえば下船は難しいので、興味のある人は本記事を参考にリスクを考慮しつつ検討しましょう。
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