【ドラマで注目】スクールロイヤーになるには?必要な資格はある?

皆さんは、スクールロイヤーという職業をご存じですか?
名前だけ聞いてもよく分からない、なんて方も多いかもしれません。
スクールロイヤーは学校内の弁護士で、2025年7月期・月10ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』でも主人公の職業として注目されました。
そこで本記事では、スクールロイヤーについて取り上げ、導入の背景や仕事内容などを解説します。
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目次
スクールロイヤーとは?
スクールロイヤー(学校内弁護士)とは、学校内で発生するさまざまな問題に対応する弁護士のことを指します。
例えば、いじめ、不登校、保護者対応、学校事故などの問題が発生したら、スクールロイヤーは弁護士の視点から助言・指導を行います。
スクールロイヤーに相談する際の費用は、都道府県・指定都市の教育委員会によって負担(地方交付税)されます。
スクールロイヤーが導入された背景
近年の学校現場では、法的問題が相次いでおり、かなり複雑化しています。
具体的には、いじめや体罰問題の深刻化、保護者からのクレーム対応、教職員の働き方改革などです。
こういった対応困難な事案の増加を受け、多くの学校でスクールロイヤーの導入が進んでいます。
さまざまな事件を受けて注目度高まる
特に導入の要因となった事案のひとつに、大津市中2いじめ自殺事件(2011年)が挙げられます。
この事件では、クラスの担任が自殺した生徒より、いじめに関する相談・報告を受けていたにも関わらず適切な対応を取らなかったなど、学校側の不十分な対応が明るみに。
他にも、野田小4女児虐待事件や旭川14歳凍死事件など、学校・教育委員会が適切な対応を取れずに社会問題へ発展した事案が多数発生しました。
スクールロイヤー制度の整備進む
こういった痛ましい事件から、スクールロイヤーの必要性が強く認識され、日本弁護士連合会は2018年、文部科学大臣へ「『スクールロイヤー』の整備を求める意見書」を提出。
そして翌年の2019年、文部科学省はスクールロイヤー制度の導入方針を確立し、全国の学校に300人規模のスクールロイヤーを配置する方針を明らかにしました。
さらに、2024年には、文部科学省がスクールロイヤーの導入を全国の教育委員会へ要請し、より導入が加速していくことが予想されます。
スクールロイヤーの仕事内容
では、スクールロイヤーは具体的にどんな役割を担うのでしょうか。主な仕事内容を以降でご紹介します。
いじめ問題への対応助言
学校がいじめの事実関係を調査する際に、法律的な観点から対応方法を助言します。加害・被害双方の権利に配慮しながら、調査の適法性や手続きの妥当性を確認します。
保護者対応のサポート
不当な要求や苦情に対して、どのように対応すべきか法的にアドバイスします。必要に応じて、弁護士が保護者への説明や文書作成を支援することもあります。
教員や学校職員への法律相談窓口
スクールロイヤーは、教職員からの相談も受けます。例えば個人情報の取り扱い、校則の適正、労務管理などに対して、法的見解を示します。
学校事故やトラブルへの対応
部活動や授業中の事故が発生した際に、責任の所在や学校の対応義務について助言します。例えば、訴訟リスクの回避や適切な初動対応の支援が挙げられます。
研修や講習の実施
教員や教育委員会職員に向けて、いじめ防止、保護者対応、労務法制などに関する研修を行う場合もあります。これにより、学校全体の法的リテラシーを高めます。
スクールロイヤーに必要な資格はある?
スクールロイヤーになるには、弁護士資格を取得していることが必須条件です。
弁護士資格は、司法試験に合格すれば取得できます。ただし、司法試験を受験するには以下のどちらかの条件をクリアする必要があるため、かなり厳しい道のりとなります。
■ロースクール(法科大学院)の卒業
■予備試験に合格(合格率3%)
また、弁護士資格を取得していればスクールロイヤーになれるものの、学校内弁護士である以上、教育の法的知識だけでなく学校の実態も把握しておく必要があります。
現在、一部でスクールロイヤーの研修が行われているものの、全国的に育成プログラムは整っていないため、独学で学んでいく必要もあるでしょう。
スクールロイヤーの導入実態と需要
最後に、現状のスクールロイヤーの導入状況をご紹介します。
2025年7月10日、ジブラルタ生命保険の「教員の意識調査」によると、スクールカウンセラーの配置率が79.8%なのに対し、スクールロイヤーの配置率は14.3%と大きく差があることが分かりました。
ただ、配置されていない学校の教員の6割以上が、スクールロイヤーの必要性を感じた経験があるといいます。
つまり、まだ全国に浸透していないだけで、多くの学校に需要があることは明らかとなりました。
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まとめ
今回は、近年さらに注目されているスクールロイヤーについて解説しました。
スクールロイヤーになるには、弁護士資格の取得が必要となる上、学校の実態を理解する必要もあります。
現状は配置校が少ないですが、教員の需要は高いため、まずは今よりもスクールロイヤー制度が整備されることを願うばかりです。
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