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【応募する前に要注意】男女雇用機会均等法の重要性やチェックポイントを解説

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「男性限定」「主婦歓迎」などの4文字から、応募を断念した経験がある方も少なくないのではないでしょうか。

筆者自身も「女性歓迎」と書かれた求人票を見て「応募するのを辞めようかな」と感じてしまった経験があります。

実は性別による差別は「男女雇用機会均等法」によって禁止されているのです。

そこで本記事は、これから企業に応募する方向けに男女雇用機会均等法の観点から注意深く見ておきたいポイントに重点を置いて解説します。

面接や人員配置など、ケース別の禁止パターンも解説しているので、転職活動やフリーランスの営業活動に役立ててもらえたら幸いです。

男女雇用機会均等法とは性別による差別を禁止した法律

男女雇用機会均等法とは、1972年に制定された「勤労婦人福祉法」を前身にした法律で、男女間の格差をなくした雇用環境を整備するための法律です。

企業で働くにあたって募集・採用・昇進など、雇用において男女平等に扱うため、定められています。

当然セクシャルハラスメント防止も目的にしています。

法律の内容自体も、1997年に改正された当初は女性差別を禁止し、2006年には男女を平等に扱うよう整備されました。

つまり、時代の流れに応じて改正されるので情報のアップデートに注意して募集や採用などを行わなければいけないのです。

多岐にわたる男女雇用機会均等法は、大まかに以下の内容が定められています。

●性別を理由にした差別の禁止

●間接的な差別の禁止(転勤可否や身長などの要件を募集で制限するのを禁止)

●ハラスメントの防止と対策

●妊娠や出産における女性の健康管理

●男女雇用機会均等推進者の選任

●深夜業務に従事する女性に対する措置(男性同様)

出典:法令検索「男女雇用機会均等法」

男女雇用機会均等法に違反した際の罰則

男女雇用機会均等法に違反した際、厚生労働大臣から報告を求められる場合があります。

助言や指導、勧告を受ける場合もあり、従わないと以下のような罰則が与えられます。

●虚偽の申告をした場合:20万円以下の過料

●勧告に従わない場合:企業名の公表

実際に妊娠や出産を理由に解雇した企業においての裁判事例もあるので、注意すべき法律の1つなのです。

参考:最高裁判所判例集|事件番号 平成24(受)2231|事件名 地位確認等請求事件|裁判所 – Courts in Japan

男女雇用機会均等法が制定された理由

男女雇用機会均等法が1985年に制定されたのは、1960年代の高度経済成長期が関係しています。

女性の社会参加が活発になったものの、当時の女性は単純作業や補助など、限定的な業務が多かった状況でした。

「男は仕事で女は家事」と耳にした経験がある方もいるのではないでしょうか。

時代の変化とともに、当たり前のように女性起業家もいるので、男女差別の禁止が強くなったように見えます。

【ケース別】男女雇用機会均等法における禁止パターン

ここからは男女関係なく、求人情報の「何を見ればいいのか」や入社後における禁止項目について、ケース別に解説していきます。

大まかに以下の流れで解説するので、まずは応募前のチェック項目として参考にしてください。

●求人募集

●面接や採用

●人員配置

●解雇

求人募集

求人票に「男性限定」「主婦歓迎」など、特定の性別を対象にした記載は禁止されています。

たしかに男性(または女性)を限定した仕事も一部あります。

しかし、性別関係なく雇用している職種の場合、どちらかの性別に関する明記は禁止されているのです。

性別に応じて採用人数を設定するのも、性別差別と捉えられてしまうので求人募集の際は注意が必要です。

応募先の求人票で特定の性別に関する明記が見つかった際は「入社後に性別差別があるのでは」と考えていい要因になってしまいます。

面接や採用

面接の場で「結婚しても働いてくれるか」「出産後はどうするのか」など、女性に対して質問するのは、間接的な差別に該当します。

当然、企業にとっては産休や育休の関係もあるので、デリケートな問題です。

あくまで経験やスキル、今後のビジョンなどの確認をする場が面接なので、とくに女性は結婚や妊娠・出産に関係する質問があった際は注意しましょう。

人員配置

性別で分けた人員配置は、男女雇用機会均等法で禁止されています。

たとえば「営業部は男性のみ」「事務や受付は女性のみ」などの人員配置です。

結婚や妊娠、子育てをしている女性を特定の部署にまとめて配置するのも禁止されています。

勤続年数においても「男性は半年」「女性は1年以上」などの条件を定めるのも禁止されています。

つまり、あくまで個人の経験やスキル、適性に応じた人員配置が必須になるのです。

昇進や教育において性別を理由に異なる条件を定めるのも禁止されているので、面接時に男女比率を聞いておくのも1つの手です。

解雇

労働契約の更新にあたって、どちらかの性別を優先して契約更新の有無を分けるのも禁止されています。

たしかに女性の産休・育休の兼ね合いもあり「1人でも多くの人員が必要」と考える企業にとっては、痛手になってしまうかも知れません。

しかし、性別の違いを理由に契約更新の条件を定めたり解雇したりするのは禁止されているのです。

妊娠を理由にしたマタニティハラスメントから、降格が発生した事例で最高裁判所が判決した事例もあります。

参考:最高裁判所判例集|事件番号 平成24(受)2231|事件名 地位確認等請求事件|裁判所 – Courts in Japan

まとめ

今回は男女雇用機会均等法について、応募者の立場で「何を見ればいいのか」を重点的に解説しました。

筆者自身、ライター活動において「主婦歓迎」の4文字をよく見た経験があります。

1人の男として「男だから歓迎されていないのか」と応募を断念した経験もあるのが本音です。

求職者にとっては応募の機会を失い、企業にとっても応募者が集まらない要因になってしまう恐れがあります。

罰則が課された事例もあるので、応募者の立場であっても注意深く求人票や面接に臨みましょう。

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ライター紹介

柴﨑 祐介

フリーライター

目指せ「頑張りが報われる環境作り!」|「関わった人がみんな”なりたい自分”を目指せる環境を整えること」をモットーに活動中|自分らしく前向きになれるヒントをお届け|僧侶から民間企業に転職した経験をもとに執筆していきます!
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