お坊さんになるにはどうすればいい?就職するまでの流れを元僧侶が解説!

「お坊さんって誰でもなれるの?」
「大変って聞くけれど実際、お坊さんになるには何をすれば良いの?」と気になった経験はありませんか。
本記事では、実際にお坊さんと呼ばれる「僧侶」として、修行期間を含めると14年間経験した私が僧侶になる方法を解説します。
お寺の生まれではない私が感じた疑問を振り返りながら、僧侶になるには何をすれば良いのかだけでなく、就職方法もお伝えします。
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目次
僧侶になるには何をすれば良いのか
僧侶になるには、各宗派(浄土宗や天台宗など)で定められた流れに従って、初めて僧侶になれます。
僧侶になるための大まかな流れは以下のとおりです。
- 1.師匠を決めて得度を済ませる
- 2.各宗派規定の修行をする
- 3.僧階を取得する
僧侶の業界に多い専門用語の解説に関しては、元僧侶である私が適宜例え話も交えながら解説していきます。
STEP1.師匠を決めて得度を済ませる
僧侶になるにはまず、自分の師匠になってくれる人を見つけ、仏教の世界で修行を始めることを誓う「得度」を済ませなければいけません。
僧侶の世界で言う師匠は、言わば「保証人」のような立ち位置になるため、僧侶として活動するうえで重要な存在になります。
言い換えれば「親は選べない」のに対し「師匠は選べる」ため、慎重に決めなければ、今後僧侶生活に影響します。
私が僧侶をしていた頃も「〇〇さんに師匠になってもらったけど失敗した」と言っていた人がいたのも実情です。
師弟関係は、どちらかが亡くなったり辞めたりしない限り、一生続く関係なので「誰でも良いから」と思うのは、リスクある選択となります。
慎重に選んだ師匠のもと「得度」を済ませるわけですが、得度の進め方は自分が把握せずとも基本的には師匠が丁寧に教えてくれます。
師匠は弟子を立派な僧侶に育てる義務があるため、得度に必要なものや書類などは事前に心配する必要はありません。
STEP2.各宗派規定の修行をする
師匠のもとで得度を済ませる、つまり仏教の世界で修行するのを誓ったあとは、師匠が所属する宗派で定められた修行生活が始まります。
「修行って実際にきつい?」「大変そう……」と思われる人が大半かと思いますが、結論修行は本当にきついです……。
宗派によっては、僧侶になるために必要な単位を履修できる大学に通い卒業するのを基準にしたり、試験のみで許されたりします。
しかし、仏教に関する勉強は勉強すれば完結しますが、修行とは「”行い”を修める」と書くように、言わば技能的な要素もあります。
お経の唱え方や法衣(僧侶用の制服)の着方はもちろん、体力勝負のような修行を定めている宗派もあるのです。
例えば滝行は体力勝負の修行とも言え、厳しさから途中で逃げ出す人がいたのも実情です。
また、修行中は一定期間、外部との連絡が途絶えるため、スマホやパソコン、テレビなどが禁止される「結界修行」の期間もあります。
STEP3.僧階を取得する
僧侶になるには修行だけではなく、人前で僧侶を名乗る相応しさを示せる「僧階」を取得しなければいけません。
修行中の僧侶は多くの宗派で「沙弥(しゃみ)」と呼ばれており、人前で説法(法話)をしたり葬儀や法事に出向したりするには、僧階を取得する必要があります。
僧階とは、僧侶の業界特有の階層を指しており、僧階に応じた法衣が着られるようになります。
例えば京都の清水寺で「今年の漢字」を書く人は、清水寺の貫主(かんす)が書いていますが、貫主とは会社で言う社長の立場です。 大きなお寺で貫主を務められるほどの人が着ている法衣は、相応する僧階でないと着られません。
つまり僧侶としてのキャリアステップを考える際、各宗派規定の僧階を上げるのが次の目標になるのです。
僧侶として就職するにはどうすれば良いのか
僧侶になる修行を終えただけでなく、就職して稼ぎが欲しい場合、お寺の就職先を見つけなければいけません。
しかし実は僧侶の業界には求人票が提示されていないケースが多いため、以下いずれかの方法で就職先を探すことになります。
- ・親が経営するお寺に就職する
- ・親や師匠などから紹介してもらう
私が僧侶をしていた頃の同期も、上記のいずれかだったため、順番にどうすれば就職できるのかを解説していきます。
親が経営するお寺に就職する
僧侶として就職する手っ取り早い方法は、親が経営するお寺に就職する選択肢です。
自分の親がお寺の住職として働いており、自分の親が師匠の場合によくあるパターンです。
しかし、自分が次男や三男などの立場だと親の立場からすれば「自分と長男がいれば十分」と言われるケースもあります。
親が経営するお寺に就職する場合では、お寺の規模次第では自分で就職先を探さなければいけなくなるのです。
親や師匠などから紹介してもらう
自分がお寺の生まれではなかったり、親のお寺で手が足りていたりする場合、人手が足りないお寺を紹介してもらうケースが大半です。
親や師匠のお寺で人手が足りていても、周りで人手が不足しているお寺があれば就職先を紹介してもらえます。
しかし紹介されるのを待っていると、言わば「就職難民」になってしまう可能性もあります。
- ・周りで人手不足のお寺がない
- ・自分のスキルが周りのお寺で求めるスキルとマッチしていない
上記いずれかが該当すると、自分が就職するお寺が見つからない事態になってしまうのです。
ただし僧侶の業界では、多くのお寺で「跡取りがいない」と、問題を抱えているため、就職難民になるリスクは低いと考えられます。
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まとめ
本記事では、元僧侶である私の経験談をもとに、僧侶になるにはどうすれば良いのか、実際に就職するには何をすれば良いのかを解説しました。
僧侶になるには、事前にスキルや経験などが必要ではない反面、宗派ごとに定められた修行をする大変さがあります。
宗派によっては体力的・精神的にしんどいと感じる修行もあり、逃げ出したくなる人がいるのも実情です。
「お坊さんになってみたい」と考えている人は、近くのお寺の住職や法事に来てくれる僧侶に聞いてみるのも1つの手段です。
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