「経理職は将来性がない」と言われる理由とは。求められるスキルや活かせる資格5選
“経理職は将来性がない”といったことを耳にし、漠然とした不安を抱える経理職の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、その将来性がないと言われる理由について解説していきます。
現在経理職として働いている方はもちろん、将来経理職に就きたいとお考えの方へ向けて、経理職に求められるスキルや活かせる資格についてもご紹介していきます。
▼採用担当者様へ:会社見学と仕事体験の採用/求人サイトのWorkWork(わくわく)ポータルへ掲載しませんか?
目次
経理職に将来性はある?
“経理職は将来性がない”と言われている理由は、AIの台頭にあります。
巷でAIに仕事が奪われるなんて言葉を目にしますが、これは経理だけでなくあらゆる職種に言えることです。
ただし結論、経理職に将来性はあります。
将来的にAIが代替する業務はあると考えられるものの、高度な分析や人材の育成、手作業が必要となる業務は現在のAIでは代替できないです。
つまり、専門的な経理の仕事が完全になくなる可能性は極めて低いと言えます。
AIに代替される可能性がある業務
AIに代替される可能性がある業務は、主に「単純作業」です。
仕訳業務や支払業務といった業務効率化のためにExcel・会計ソフトを使用する仕事は、基本的にAIで代替できます。
また、決算書作成や税務申告も、税理士による処理が必要ない部分に関しては、AIが行うこととなるでしょう。
経理で活躍できるスキルとは
では、AIに代替される業務がある経理職において、継続して活躍できるスキルはどういったものなのでしょうか。
現在経理職で働いている方は、以降の4つのポイントを押さえておくことをおすすめします。
総合的な会計の知識
1つめのスキルは、財務や税務といった総合的な会計の知識です。
経理職は、会計原則や財務報告基準、税法をはじめとした法律知識、財務分析や予算策定などさまざまな知識を要します。
こういった知識を身につければ、経営企画コンサルティングを担当することもできます。
特に財務のスキルに関しては、重要な判断力が必要でAIに真似できないでしょう。
M&Aなど専門性の高い知識
2つめのスキルは、M&Aなど専門性の高い知識です。
M&Aとは企業の合併や買収のことで、日本でも一般的になっています。M&Aを円滑に進めるためには専門的な知識や判断力が求められます。
企業間のやり取りとなるため、人対人でしかできない部分もある重要なスキルです。
英語などの語学力
3つめのスキルは、英語などの語学力です。
語学力のある人材はさまざまな職種に重宝されますが、経理職も同様。経理では、海外の取引相手とコミュニケーションを取りながら業務を遂行する場合があります。
そういったケースでは、取引する本人が日常会話またはそれ以上の語学力があると有利に働きます。
AIに難しいとされる、相手の感情を読み取る行為は人間にしかできないでしょう。
ITに関する知識
4つめのスキルは、AIを主としたITに関する知識です。
今はなくとも、近い将来、業務効率化のためにAIが活用される可能性は高いです。つまり、AIと共存していくためには、AIツールに関する知識があることも強みになるはず。
自分自身を管理・メンテナンスできないAIだからこそ、AIツールを使いこなせる人材を目指すのもひとつの手です。
経理職に活かせる資格5選
最後に、経理職に活かせる資格を5つご紹介していきます。特に今後、経理職に就きたい方は資格を持っていることで有利になりますよ。
日商簿記2級
日商簿記2級は、帳簿の作成や会計処理、税金の申告などの商業簿記と工業簿記の知識が身に付きます。
実務で必要な知識があることの証明となるため、新卒・中途採用において評価されやすいです。
合格率は20%前後と難易度が高いため、スクールを受講するなどしっかりとした対策が必要でしょう。
全経簿記
全経簿記は、経理事務を目指す経理や会計の専門学生や高等専修生向けの試験となっています。
日商簿記より難易度が低いため、日商簿記検定の予行演習をしたい人や、知識向上を目的としたビジネスパーソンが受験者に多い傾向です。
また税理士試験の受験資格が得られる「上級」もあり、合格率は15%前後とかなり難易度が低いです。
給与計算検定
給与計算検定(給与計算実務能力検定試験®)は、給与計算の実務スキルを評価する試験です。
給与計算業務の基礎知識や法律、労務コンプライアンスが問われ、年末調整などの給与計算はもちろん、社会保険や税務に関する手続きが行えるようになります。
給与計算の正確性や法令遵守の能力を証明できるため、経理職に必要なスキルです。
FASS
FASSは、経済産業省が開発した「経理・財務サービス・スキルスタンダード普及促進モデル事業」をベースに、経理や財務部門で必要なスキルがどれくらい備わっているかを測る試験です。
試験内容は資産・決算・税務・資金の4分野で、合否判定ではなくA~Eの5段階評価となっています。
2005年からスタートした比較的新しい検定試験で、近年は企業からの信頼性が高い検定として注目されています。
公認会計士・税理士
公認会計士および税理士は、会計・財務の分野における専門的な知識と技能を必要とする資格です。
両資格とも専門性の高い知識を持つ証明となり、企業や個人に対して財務や税務のアドバイスができる立場となります。
合格率は税理士が20%前後、公認会計士が10%前後で多くの勉強時間や準備期間を要しますが、会計や税務の専門家として高い信頼を得ることができます。
▼採用担当者様へ:会社見学と仕事体験の採用/求人サイトのWorkWork(わくわく)ポータルへ掲載しませんか?
まとめ
今回は、経理職は将来性がないと言われる理由について掘り下げていきました。
おそらくAIの台頭は避けられないため、経理職として将来活躍し続けたい人は本記事でご紹介したスキルや資格を参考にしてみてください。
\こちらもおすすめ/
▼職種別採用は異動できない?キャリアチェンジしたい場合について解説。ジョブ型採用との違いも